Untitled

4月 4th, 2008 .

団地に住んでいる。

ドアの外で母親と娘の争う声がする。ここのところ毎日のように喧嘩をしているのだ。
原因は娘が学校にも行かずにどこからか心の病んだ人を連れてきては、スピリチュアルカウンセリングの様な事をしているせいだ。

以前、少しだけ娘と話をしたことがあるのだが、とてもそんなセンスが有るとは思えなかった。 どこかで聞いた事があるような言葉とただただ垂れ流し続けるだけ。そのくせエネルギーは沢山有るのでへたをすると、こちらがあちら側に引きずり込まれそうになってしまいそうになる様に思えてきたので、仕事が有るからと話をきりあげたのだ。

僕にしてみれば彼女の方を先に病院につれていってあげたいような気がするのだけれど、彼女が連れて来る人にとってはありがたい存在のようだ。話をきちんと聞いてあげる(実際にきちんと聞いているかは別だけれど)事は治療になるのだろうなぁと思っているのだけれど、どうなのだろう。

今日もまた新しい誰かを連れてきたようだ。
いつもにくらべて激しい言い争いだ。ヘッドホンで音楽でも聴いてやり過ごそうと思ったところに、どちらのものともわからない悲鳴が聞えた。

仕方ない。何か有った時に「悲鳴を聞いているのに無関心な住人」にはなんとなくなりたくなかった。

ドアを少しだけ開けると、待ちかまえていたかのようにそこに娘の顔が有った。僕がひるんだ隙に、ドアを開けて中に入ってきた。続いて髪をふりみだした母親が 入ってきた。そして、最後に入ってきたのがセーラー服を着た少女だった。

目の上でそろえた髪の毛。黒目が動物のように大きくて白目がほとんど見えない。左目は病気なのだろう、白濁してしまっている。異様なのはその顔で真っ黒に塗られている。おそらく墨汁だろう。安っぽい墨汁独特の光沢が有る。

「この子かわいそうなんです。かわいそうなのにうちのおかあさんはわからないんです!」
娘が歌うように言う。

僕はセーラー服の少女から目が離せない。離せば悪いことが起こるような気がするからだ。

セーラー服の少女が僕の目の前に立つ。
僕の胸のあたりを見てはいるけれど、実際に見ているのは僕の背後に有る何かだ。

セーラー服の少女が、顔をあげて僕の顔を見る。
少し笑ったような顔をした後、彼女は悲鳴をあげた。

飛び起きたよ…(-公-:)

Leave a Reply